最近「適応障害」という病名をよく聞きますが、いったいどのような症状のことを言うのでしょう。

一般に気分の変動によって日常生活に支障をきたす病気のことを総称して「気分障害」と言っています。気分障害は主に「うつ病」「双極性障害」「気分変調症」「その他の気分障害」の4つに分類されます。適応障害は「その他の気分障害」に含まれます。

【適応障害の原因】は、はっきりと確認できるストレス因が原因となります。例えば失恋などの単一のできごとや何らかの複数のストレスが立て続けに起こることでも生じます。定期試験や受験勉強などの反復するものや自然災害、健康上の問題、結婚、退職、死別などの日常生活上のストレスでも発症することがあります。

【適応障害の症状】としては、不安・焦燥感・抑うつ症状などの情動面と、社会的・職業的・生活面などでの機能障害があります。

ストレス因の始まりから3か月以内に症状が出現し、ストレス因がなくなればその終結から6ヵ月以上続くことはありません。(ただしストレス因が続けば6か月以上適応障害が続くこともあります)

【どうやって治すのか】適応障害の治療は、まず「休養」「環境調整」が基本となります。具体的にはストレス因を除去するか、ストレスへの抵抗性・対処能力を高めることが重要となります。

そのために「認知行動療法」や「カウンセリング」などが有効な手段となります。

【ストレスとは】一般的には多くの人がストレス要因やそれによる反応のすべてをストレスと称しているようです。しかし、精神医学では「特定のストレスを引き起こすストレス要因」のことを「ストレッサー」と呼び「ストレッサーによって生じる心身のゆがみ」を「ストレス」と称しています。

仕事に行きたくないという場合は、仕事が「ストレッサー」で出勤が嫌になることが「ストレス」です。大勢の人の前で何か発表しなければならない時に胃が痛くなるのは人前で発表する行為がストレッサーで胃が痛くなることがストレスということになります。

ストレスは人によって受け取り方、感じ方が違います。同じ現象に対しても人それぞれのものの見方・考え方が違うからです。

適応障害においては、特定のストレッサーに対して、その人の性格や育った環境、おいたちなどの個人的な要因が組み合わさって心身にさまざまな症状をもたらします。

やっかいなのは、ストレッサーのある場所では症状がでるが、ストレッサーの無い環境では普通に生活出来たりすることも多く、周囲からは「単なる怠け病?」などと思われがちです。

ストレスを感じたら自分なりのストレス解消法を持って早めに対処することが予防に繋がります。

アスミル大田原では、毎月定期的にプロのカウンセラーによるカウンセリングを実施しています。